「戯言の雑音」をご存知でしょうか?読み方は「ざれごとのざつおん」です。しとおさんによる、初音ミクさんが歌うボーカロイド曲です。
YouTubeではオリジナル版が運営に削除され、現在は【再投稿版】のみ視聴することができます。(ニコニコ動画ではオリジナル版に加えて、ミュージックビデオが少し異なる 【再投稿niconico版】の合わせてふたつが視聴できます。)
ここでは「戯言の雑音」とその魅力をもっと多くの人に知ってもらうために、歌詞の意味や私なりの解釈を含めた紹介をしていきます。
楽曲情報
戯言の雑音
作者:しとお
曲・絵・動画:しとお
(敬称略)
YouTubeチャンネル「しとお official」にて2019年2月5日公開(再投稿版)
戯言の雑音 の意味
まず言葉の意味だけを説明すると、次の通りです。
戯言(戯れ言)はふざけて言う言葉(冗談)のことです。
雑音には①騒がしく、不愉快に感じられる音 ②ラジオやテレビ、電話などに入ってくる不要な音(ノイズ) ③無責任な批判やうわさ という3つの意味があります。
曲タイトルの意味は、聴き手の感じ方や受け取り方によって異なると思います。それはこの曲に限ったことではありませんね。
私の場合、曲中で 祈り→戯言 歌う→雑音とそれぞれ示唆されているような部分があるため「祈りの歌」と解釈しています。
英語の字幕では「Nonsensical Noise」と表示され、無意味な(馬鹿げた)雑音と訳すことができます。ちなみに「nonsense」= 戯言 となるようです。
曲の魅力
戯言の雑音の魅力は曲調と歌詞ですね。
音もメロディーもダークな感じで、最終的に救いや希望があるわけもなく全体的に暗い雰囲気です。私の中では悲しい時に聴く悲しい曲となっています。またボーカロイドだからこそ伝えられる曲なんだと思います。
以下は筆者が特に好きなフレーズ(歌詞)です。(引用元:piapro)
その場しのぎ生きる惰性続くならば意味はあるか?
”適当に惰性で生きるだけの人生に意味はあるのか?”おそらく現代の日本人の多くが抱える問いですよね。厭世観を持つ私はいつも考えていることなので、同じ考えを持つ人がいるんだと嬉しさまで湧きました。
ああ苦しいな苦しいならやめなよ
そんな場所に君想う人いない
これは格言に近いのではないでしょうか。このフレーズはすべての社会人に聴いてもらいたいほど素晴らしいと思います。自分が不利な状況に陥った時にやめられたら、逃げられたら どれだけ楽に生きられるのか…生きるためには”逃げ”も必要だと意識させられます。
ミュージックビデオについて
ミュージックビデオは1台のパソコンがある薄暗い部屋が舞台です。上部から垂れ下がるロープに手をかけるとその先に初音ミクさんが現れ、短期間のストーリーを思わせます。
オリジナル版では最初のサビから登場するミクさんですが、曲が進むにつれて表情が変わっていきます。曲調に合っているため注目していただきたいポイントですね。
歌詞は白文字で縦向きに表示されていきますが、要所では横向きになり良いアクセントになっています。
最後にはロープの軋む音が入っているため評価が分かれそうですが、それが落ちになってすべてにおいて完成度が高まっていると感じます。
再投稿版では、序盤のパソコンの画面に画像が表示されている・サビ前にミクさんがいてこちらを振り返る・ロープに伸ばした手に手を重ねる など、新たなシーンやミクさんの登場が増えています。
YouTubeチャンネル「しとお official」より動画
※ タップ / クリックで動画が開かれます
おわりに
「戯言の雑音」のご紹介でした。
これは余談になりますが「戯言」には読み方が複数あり、読み方によって意味が異なっています。曲タイトルにもある「ざれごと」に加えて「ぎげん」や「けげん」と読む場合は、上で説明した”ふざけて言う言葉”という意味になり、「たわごと」と読む場合は”馬鹿げた言葉・ふざけた話”という意味になります。
また「ざれごと」と読むときには、「戯れ言」と書かれることが多いようです。
私の主観になりますが、戯言の雑音はこの世の中に生きづらさを感じている方に刺さるというか沁みる曲だと思います。とても心に響いたので、もっと多くの方に聴いてもらいたいと思います。
ありがとうございました。
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