音街ウナちゃんが歌うボカロ曲「毒々」をご存知でしょうか?
和風・清楚ロックが人気のボカロP:一二三さんによる楽曲で、2020年7月の最新曲ですね。
ここでは「毒々」とその魅力を多くの方に知ってもらうべく、私なりの解釈や考察を交えながら 歌詞の言葉の意味について解説していきます。
楽曲情報
毒々/音街ウナ
※ 楽曲リンク(YouTubeにてMVが開かれます。)

作曲・作詞:一二三
動画:薬屋
ベース:tmsw
ボーカル:音街ウナ
(敬称略)
2020年7月4日(土)20:00
ニコニコ動画・YouTubeチャンネル”一二三”にて公開
公開から二週間で ニコニコ動画では約6.6万回再生、YouTubeでは約5万回再生を突破しています。
歌詞の意味と解釈
「毒々」の歌詞中にある言葉の意味や、それらの読み方について解説しています。
緑文字は私の解釈に基づく考察などコメントです。
※ 意味が複数存在する言葉は、曲のイメージに最も合っているものを選んでいます。(主観)
※ 「毒々/音街ウナ」動画内から歌詞を引用しております
1サビまで
届かない気持ちや 夢といった類が
どうしようもない程 心で叫んでんだよ見えない障壁や 圧力の類が
私の頭上で佇んで 消えないんだよきっと きっと 幸せなんて
それなりに値段が付いていて“もっと”なんて 何で?
望むことさえ 虚しく響く様な
こんな世界を変えたくて咲いた 咲いた 私の中で
妬み 嫉み などが
積もり積もっていく
やがて やがて 心の臓から
どくどく溢れる本心を知って
届かない
=気持ちが相手に通じない
または、願い事が叶わない。
といった
=という
”~という”よりも、例示する気持ちがより強く添えられる使い方です。
例えば気持ちや夢が…と受け取ることができます。
類
同じ種類のものを指します。
叫んでんだよ(叫ぶ)
大声をだして言う 他に、強く主張するという意味があります。
「心で叫んでんだよ」ですから、どちらの意味も通じますね!
障壁
妨げとなるもの。
他人や世間など、「私」の妨げとなる「見えない」ものだと思います。
圧力
威圧(圧迫)して屈服させようとする力。
英語”pressure”に当たり、特に精神的な重圧を指す言葉です。
佇んで(佇む)
=ある場所に暫く立ち止まる
「頭上で佇んで」ですので停滞というニュアンスが感じられます。
虚しく響く
”虚しい”は効果があらわれず、無駄になるさま。
”響く”は音があたりに伝わって広がること。
「望むことさえ」意味もない音になるような世界 だと解釈しています。
妬み
ねたむこと。
”嫉妬”や”嫉み”とも言われます。
嫉み
他人の幸運や長所をうらやみ、憎むこと。
”妬み”とも言われます。
やがて
=そのうち・おいおい・間もなく
積もっていく(積もる)
同種の物事や事物がが集まり たまること。
「積もり積もっていく」と重ねることで、その意味を強める使い方ですね。
どくどく
液体が勢いよく流れ出るさま。
タイトルの「毒々」とかかっています。
溢れる
中のものが収まりきれなくなって外にこぼれること。
または、感情や気持ちが表情などとなって外に現れること。
本心
その人の本当の心・真実の気持ち。
液体に見立てた本心が溢れる という歌詞のつながりで、二重の意味がかかっていることが分かりますね。
2サビまで
身分とか価値だとか世間の尺度で
その一目盛りのために醜くなれるの?そうだ そうだ 人間なんて見下すことで生きていて
そうか、そんな そんな 生きる手段で
凝り固まった様な場所で 息が出来ないよ遥か 高く 胡坐をかいて
私達はただ 利用されてんだ
隙を 隙を 狙い続けて
毒針をそっと 首に打ち込んで
身分
その人が属している社会での地位や資格のこと。
世間
=世の中
世の中の人々を指すこともあります。
尺度
物事を評価(判断)する基準。
後に「その一目盛り」と続くため、長さを測る道具(ものさし)や 計量の基準という意味も当てはまります。
「身分とか価値だとか」は世の中が決めたものさし と受け取ることができますね。
醜く(醜い)
人の心や社会の事物などが不純で、軽蔑に値するさま。
「身分とか価値」のために醜いことにも手を染めるのか?と解釈しています。
見下す
相手をあなどって自分より低く見ること。
手段
目的を達成するための具体的な手だて。
「見下すことで生きて」いるのは生きるため。
凝り固まった
=ひとつの物事に熱中して他を顧みなくなった
現代の世の中を示唆しているのだと感じられます。
遥か
程度の違いが甚だしいさま。
「遥か高く」= 他と比べて、距離や程度などが非常に高い
胡坐をかいて(胡坐をかく)
あぐらの姿勢で座る 他に、あるものに頼ってのんきに(図々しく)構えることを意味します。
後に「私達はただ利用されてんだ」と続くため、胡坐をかいた奴らに利用されている 捉えることもできます。
隙
つけこむべき状態・気のゆるみ
(つけこむ=機会をうまく捉えて利用する意)
ラストサビまで
張り巡らした意図の傍で
引っかかる好機を ただ待ってた
社会のうなじに噛み付いて
私の感情全部を 流し込んでみせる弱く 脆い 私達がさ
持てる 唯一の 反骨精神
いつか いつか 叶いますように
どくどく流れる 私の想いがこの腐ってる 世界に響いて
張り巡らした
=まわりを囲むように張った
=全体にくまなく張った
意図
あることを実現しようと考えた事柄。
目論見とも言います。
「張り巡らした」という歌詞から、”意図”と”糸”がかかっていることがわかります。
傍
=横(すぐ近く)の場所。
傍らとも言われます。
引っかかる
=計略にはまる
好機
ある物事をするのにちょうどよい機会。
英語”chance”が これに当たります。
弱く脆い
”弱い”は精神のあり方にきわだった特徴があまりない・物事に耐える力が小さいなど。
”脆い”は情にほだされやすく精神的に崩れやすいこと。
似た意味をもつ言葉ですね。こちらも意味を強めるための言い方だと思います。
唯一
ただ一つであること。
反骨精神(反骨)
容易に権勢には服従しない気骨。
または 権力や時勢、因習などに逆らおうとする気概。
腐ってる世界
”腐る”には 心が拗けて、まともさを失うという意味があります。
「腐ってる世界」とは、まともさを失っている世の中 だと解釈しています。
おわりに
「毒々/音街ウナ」歌詞の意味と解釈・考察のまとめでした。
”一二三さんが紡ぐ言葉は心に響きます”
”現代を映し出しているような歌詞” というコメントがあるように、歌詞が本当に綺麗なんですよね。
「毒々」への理解を少しでも深められたら幸いに思います。
一二三さん作で 私が最も好きなウナちゃんの曲「結い傷な」についてはこちら

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