今回は”小説を音楽にするユニット” YOASOBIの1st single『夜に駆ける』についてです。
YouTubeにて公開されているOfficial Music Videoは7000万回以上再生されている、超人気&有名な楽曲ですね。
ここでは『夜に駆ける』への理解が深められるように、歌詞中で登場する言葉の意味について解説していきます。
(9月18日に発売される単行本『夜に駆けるYOASOBI小説集』のご紹介もあります)
楽曲情報
夜に駆ける
作詞・作曲・編曲:Ayaseさん
歌唱:ikura(幾田りら)さん
公式MVである ”YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Video” がYouTubeチャンネル”Ayase”にて2019年11月16日公開
⇩タップ / クリックでYouTubeへリンクします

楽曲の原作となった小説は、星野舞夜さんによる『タナトスの誘惑』です。
(小説やイラストを中心とする投稿サイト”monogatary.com”にて、2019年7月13日に投稿された作品)
⇩『タナトスの誘惑』へのリンク

歌詞の意味まとめ
『夜に駆ける』の歌詞で使用されている言葉の意味について解説していきます。
(意味が複数存在する言葉 その他は、私なりの解釈で曲のイメージに最も合う意味を選択しております。)
私の解釈や考察は緑文字で表示しています。
最初のサビまで
沈むように溶けてゆくように
二人だけの空が広がる夜に「さよなら」だけだった
その一言で全てが分かった
日が沈み出した空と君の姿
フェンス越しに重なっていた初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだいつだってチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
触れる心無い言葉うるさい声に
涙が零れそうでも
ありきたりな喜びきっと二人なら見つけられる騒がしい日々に笑えない君に
思い付く限り眩しい明日を
明けない夜に落ちてゆく前に
僕の手を掴んでほら
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々も
抱きしめた温もりで溶かすから
怖くないよいつか日が昇るまで
二人でいよう
- 沈む
- 物の中へめり込むようにして入ってゆく。
- (慣用句的に)心的・生理的な状態の中に深く入り込む。
- 気持ちや雰囲気が暗く重苦しくなる。
- (修辞的に)周りの風景や地色にとけこんで浮き立たなくなる。
- 溶けてゆく(溶ける)
- ある物質が液体とまじり合って均一の液体になる。
- 固形物が熱や薬品によって液状になる。
越し
それを隔てて物事をする意を表します。
曲中では、フェンス越しに見た空と君の姿 と捉えることができます。
儚い
もろくて長続きしないさま / つかの間に消えていくさま。
纏う
=身につける / 着る
寂しい
寄り添うものがあってほしいのに、それがなくて孤独な気持ちであること。
”寂しい目”=寂しさを感じさせる目
心無い言葉
=他に対する思いやりがない(思慮・分別がない)言葉
ありきたり
ありふれていること / 月並み / 陳腐
(ありふれる=平凡でどこにでもある)
眩しい
あまりに美しくて(あまりに立派なので)、まともには見ていられないさま。
眩しいほどに美しい という使い方をするため、それくらい素晴らしい明日を と受け取ることができますね。
2サビまで
君にしか見えない
何かを見つめる君が嫌いだ
惚れているかのような恋するような
そんな顔が嫌いだ信じていたいけど信じれないこと
そんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんび怒って泣いていくの
それでもきっといつかはきっと僕らはきっと
分かり合えるさ信じてるよもう嫌だって疲れたんだって
がむしゃらに差し伸べた僕の手を振り払う君
もう嫌だって疲れたよなんて
本当は僕も言いたいんだほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に映る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けていく
惚れて(惚れる)
すっかり心を奪われるまでに、異性に夢中になること。(やや俗語的)
分かり合える
=お互い物事の意味・内容・価値などが理解し合える
がむしゃら
よく考えないで(勢いをもって)物事を行うこと。
差し伸べた
=ある方向に伸ばして出した
「手を差し伸べる」の形では、力を貸す / 援助する という意味になります。
曲中では手を出した というニュアンスがやや強く感じられますが、後者の気持ちも込められていそうですよね。
振り払う
手などを振り動かして払いのけること。
釣られて(釣られる)
相手の言動が引き金となって、つい相手と同じ言動をとってしまうこと。
「触発される」「誘われる」などと同じ意味になります。
溢れた(溢れる)
中の者が収まりきれなくなって外にこぼれること。
ラストサビ
変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ
二人今、夜に駆け出していく
誘う
呼びかけて目指す方へ連れ出すこと。
染み付いた(染み付く)
色や匂いなどが移りつくこと。
- 晴れる
以下 二つの意味が込められているように感じられます。- 霧が消えることと
- 心の中にわだかまる不快な感情が消えて、さっぱりすること
- 繋いだ(繋ぐ)
以下 三つの意味が込められているように感じられます。- 手と手などを結び合わせて離れないようにする(繋ぎ合う)
- 気持ちや関心が離れないようにする(繋ぎとめる)
- 心と心を結び付けて緊密な関係を作る
”YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Video”動画概要欄より歌詞を引用しております。
夜に駆けるYOASOBI小説集
『夜に駆ける』の解説ということで、原作小説が収録される『夜に駆けるYOASOBI小説集』のご紹介です。
『夜に駆けるYOASOBI小説集』について
この単行本はYOASOBIの楽曲の原作小説や関連作品をまとめた短編集で、小説とAyaseさん&ikuraさん特別ロングインタビューが収録されます。
3パターンの初回限定特装版※、通常版のいずれも2020年9月18日発売・予定価格は1350円+税とされています。(双葉社より)
※Amazon・TSUTAYA・HMVそれぞれで、通常版のカバーの上に限定カバーがつく仕様です。特装版と通常版とで内容は変わりません。
収録内容補足
第一章「夜に駆ける」
小説『タナトスの誘惑』、『夜に溶ける』
(楽曲”夜に駆ける”原作と関連作品)
星野舞夜さん著
⇩夜に溶ける へのリンク

第二章「あの夢をなぞって」
小説『夢の雫と星の花』
(楽曲”あの夢をなぞって”原作)
いしき蒼太さん著
第三章「たぶん」
小説『たぶん』
(楽曲”たぶん”原作)
しなのさん著
第四章 タイトル未定
小説『世界の終わりと、さよならのうた』
水上下波さん著
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